
今日は午後お休みをもらって(2時半になってしまったが)
隣町のクレマチスの丘に行ってきました。
行きたいから休んだのではなく、休んだけど暇だから行きました。
前も書いたけど、ヴァンジ彫刻庭園美術館の企画展に全部行くことにしているので。
んで、毎回入館料払うのもなあと思っていたので、
年間パスポート買いました。1万円。
同伴者1名まで無料です。
行きたい人、お気軽に声をかけてください。
貸さないけど、同伴するよ。
企画展は
「棚田康司展 十一の少年、一の少女」です。
よい展覧会だったので、皆さんにも見て欲しい私は
たまには展評を書きます。
棚田康司は木彫の作家です。
木は、森林国の日本人にとって親和性の高い素材です。
朴、榧、樟、オニグルミ。
様々な木から棚田が立ち上げるのは、こどもです。
本展はそのタイトル通り、
11体の少年と1体の少女の木彫、そのためのドローイングで構成されています。
木彫12体は6体の全身像、5体のトルソ、1体の大きな顔です。
確実な技術による一木造、丁寧な彩色が施されています。
未発達の少年と少女の像は、ひとがたとしてのリアルさと
おもちゃ的なファンタジーが絶妙に同居しています。
大体半裸や全裸の少年少女の彫像なんて、
1歩間違えばエロフィギュアのような背徳感が生まれてしまいますよ。
例えばあばらの浮き方のリアル、肩甲骨のリアル、ホルモンだまり(by小沢健二)のリアル、
毛細血管のリアル、なんと言っても粘膜(目、唇、乳首)のリアル…
その一方で、はいているズボンや靴下、髪の毛などは
素朴な彩色で木のぼってりとした質感を残した「木彫りのおもちゃ」的仕上がりです。
それから、大きさが、実際の人間より「ちょっと」小さい。そして縦長。
このバランスが、リアルなフィギュアとの決定的違いでしょう。
もうひとつ、リアルだけどファンタジーなのが、目。
潤み、下瞼にたまる涙が見える目は、青や緑、黄色。
からだはどう見ても現実の日本人を模してるのに、目だけアニメ。
ビー玉みたいな目です。
その目はみんなそっぽを向いています。
だから、まじまじ見ても、目が合いません。
ちょっと視姦気分。
でも、ひとつだけ「蜘蛛の囲いの少年」というトルソだけは、目が合います。
こどもの無垢な目です。
アニメの目なのに、魂が入っています。
…
……
こども?
からだはこども。11歳くらいかな。
顔は…
おそらく、身近な女性がモデルではないでしょうか。
20代後半〜30代だぜ。
ジュリアーノ・ヴァンジの彫る人間が、
苦悩や複雑さを内に秘めた「大人」であるのに対し
なんと明るく前向きなこどもたち(多分)でしょう。
だって唇と爪と乳首ピンクでふるふるしてるし。
初個展、12月25日まで開催中。
