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ディープミシマ

源平川
次の日の仕事のことを考えなくていい飲み会っていいなあ。
これぞ年末年始の醍醐味!

今日はいとさちさんwelcome to 三島でした。
地元民でないと歩けない道を一緒に歩きながら、
ナカムラブロマイドを大量生産してもらいました。
出来上がりが楽しみです。
ありがとう、いとさちさん!

夜はディレッタントの忘年会。
この忘年会に参加できるって幸せだなあ。
2ヶ月前は考えられなかったもんな。
いろいろ出会いもあり、楽しかったのですが、
いい具合に酔っぱらった頃に
ピアニストさんがラヴェルを弾いてくれて
ピアノに寄りかかってそれを聴いているのが
最高に幸せでした。
私はラヴェルがすごく好きなので。
(あとまた川に入った)

えっと、展示のこととか人のこととか、
明日ゆっくり書きます。
今は、ラヴェルの余韻に浸らせてください。

では、ここから一晩明けて書く詳細な追記です。
昨晩ALL+08という忘年会が広小路のディレッタントカフェでありました。
地元で活躍するモノづくりの皆様の展示+それぞれのお客様が集まり交流する
和気あいあいとした会でした。
平均年齢34歳くらい?それぞれが既に自分の世界を確立している人の集まりで
私にとってはとても居心地が良い場所でした。
(半分くらい寝てたけど)

展示のご紹介(たまには本職発揮で解説するよ)

ナガサワさんのタペストリー
◆羊毛作家「多謝」 ナガサワエミコさんのタペストリー3点
植物(大麻)を使った織(左上)、動物(羊)を使った織(左下)、
そしてフェルトに参加者が安全ピンを自由につけて完成する作品の3点。
前も書いたけど、染織は結構「計画」「計算」が重要です。
ので、「技」と「創造性(ムナーリが言うところの「ファンタジア」)」のバランスが
すごく難しい。
絵画や彫刻の鑑賞に「制作の過程」を考慮する必要は基本的にはないと私は思いますが
染織始めクラフトは、過程にどれだけ思いを馳せられるかが作品評価の肝だと思います。
つまりそれは、紡ぐ時間、染める時間、織る時間ってことね。
ナガサワさんのこの作品は、その「創造性」の方に重心を置いたものだと思いますが
それでもこの作品が「織」である以上、縦糸と横糸が絡み、線が面になる
根源的な愛しさみたいなものを感じました。
時間をかけるっていいですよね。

mitsuさんの顔たち
mitsudesign杉本光俊さんの絵画
写真がブレブレですみません。
絵だけのもあるんだけど、何となく人と一緒の写真が、この作品の良さを出すかなと思って。
くしゃくしゃの紙(ハトロン紙が多かったような)にさささと描かれた100人の顔。
24時間くらいで100枚描ききったとのことです。
描いているうちに、いろいろな身近な人の顔が出てきてしまったとおっしゃっていましたが
見る私たちも、また別の身近な人を見つけたり。
同じ女性の顔を1日描き続け、本質を探そうとしたピカソや
表面的なスタイルを形骸化し、そこから溢れる内面を描こうとしたモディリアーニ
この前目黒で見た、丸山直文さんの細部を描かず瞼の裏に残る印象で描かれた顔を連想。
フォルムを取るか、マッスを取るか、それとも雰囲気か。
私たちが顔を見て「これは誰々です」と認識するのはなぜか。
絵を描く人ならば必ず一度は通るのが、「顔」。
明るいところでもう一度見に行こうと思います。

1229324523.jpg
◆HAPTIC HOUSE 長尾隆行さんの「縄文古木タイマー」
(ろくな写真が撮れなかったので長尾さんのブログから拝借)
中越地震の影響で出雲崎の海底から出てきた5000年前の古木を使ったキッチンタイマーです。
当然ながら、有機物は無機物に比べて短時間で朽ちて地に還ります。
人間はある程度その寿命をコントロールできますが、
それでも人間の時間と比較的近い形で朽ちて行きます。
この古木は、人間の時間では「ない」時間の中で生きてきたものです。
石のように固いかと思えば、指で押すとしっとりと柔らかい、
人間の時間では作れない悠久の堆積を感じます。
多分、ものすごくゆっくり微妙に炭化してきたのだと思うのですが
5000年後に偶然目の前に現われた古木を、
再び「人間の時間」の中で生かそうと言う作品です。
もちろん、キッチンタイマーはデジタルではなく針です!
タイマーをまわすたびに、我々は時間について様々な思いを巡らすのでしょう。

しのみやさんの古道具コレクション
ディレッタントカフェのマスター、四宮浩司さんのイラスト+古道具コレクション
写真は昼間撮ったテーブルに置かれている状態ですが、
本番ではこのままスライドして壁にかけられていました。
コレクションをきれいに並べて飾ると言うのは
「集めてしまう人」にとって脳内アドレナリン出まくりの作業です。
「モノ」って言うのは、誰のものであるかによって価値が変わります。
使うか、飾るか、しまっておくか、放っておくかでも変わります。
四宮さんに選ばれたこの子たち、いろんな国のいろんな土地で
いつの頃か使われたり捨てられたり拾われたりして、なぜか今ここでかしこまっている。
きっとそれはこの子たちの一生の中でも特別な出来事でしょう。

作品はしばらく店内に展示してあるとのことですので
興味を持たれた方はぜひ。

実は我がペンギンコレクションを秘かに並べましたが
ナチュラルに写真を撮るのを忘れました。
と言うか、回収してくるのも忘れました。あわわ。


コメント (3)

昨日はどうもありがとうございました!
本当に楽しくてたまらない時間だったなーと、あらためて思っています。
ちょっと、ちょっとぉ~素敵なカップルが写っているじゃない。うふふ笑

染織と絵画などの違いの説明、ありがとうございます。まったく同じ事をつい先日、友人にしたばかりよ。だから、ちょっと驚きだし、それを理解してくれている人が居るというのはなんとも嬉しい話だと思いました。

年が明けたら飲みましょう♪ゆっくり話を聞いて差し上げましょー。
ってか、家に遊びにもいらしてね♡

nmaki:

>ナガサワさん
こちらこそ、ありがとうございました!
ステキカップル写真、勝手に使ってごめんなさい。
(肖像権ぎりぎりかな…)
でも、すごくいい感じですよね。
Flickr!にもコメントありがとうございます。

お仕事落ち着いたところで
ぜひ遊ばせてください〜舎弟ですから!

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2008年12月30日 02:10に投稿されたエントリーのページです。

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